就労移行支援に役立つチェックリスト
対象者の現状を把握するための手段として利用
障害者の就労に際して支援の強化を図るには労働関係機関と福祉関係機関がそれぞれ保有する障害者雇用に関する各種情報やノウハウを共有し、密接に連携しながら進めることが求められます。そこでより密接な連携を図るひとつの手段として、独立行政法人高齢・障害求職者雇用支援機構において「就労移行支援のためのチェックリスト」を作成しています。
このチェックリストは、対象者における就労の可否や就労移行の可能性の高低を評価するものではなく、就労移行支援事業者が把握した対象者の現状を改善するための支援方法を考え、実行するための資料として使用されるものです。就労支援を行う方法の1つとして利用されるもので、その他、面接や検査等と併用されることが重要です。
個別支援計画の作成などに役立つ
「就労移行支援のためのチェックリスト」は必須項目と参考項目から構成されています。必須項目では、「日常生活」「働く場での対人関係」「働く場での行動・態度」という3分野、34項目が挙げられています。それぞれの項目は、5段階または2段階の達成段階が設けられ、どの段階に該当するかがチェックできます。
例えば、「日常生活」の「起床」項目では、「決まった時間に起きられる」「だいたい決まった時間に起きられる」「決まった時間にあまり起きられない」「決まった時間にほとんど起きられない」「決まった時間に起きられない」という5段階からチェックします。
このチェックリストを利用して障害者の個別支援計画を作成し、支援期間中の諸段階において使用することで、対象者の状態や支援内容の見直しなどに役立てることができます。