三重県障がい者就農促進協議会の取り組み
農業分野における障害者雇用・就労支援
三重県では2012年度から、農業分野における多様な担い手の確保や障害者の新たな就労の場の創出につがることをめざし、農福連携に取り組んでいます。現在では500名以上の障害者が農業分野で就労しています。
一般社団法人三重県障がい者就農促進協議会は、農家や農業経営体等と障害者との支援を県や市・町の行政と一体となって行っています。近年、農業分野における障害者就労は広がりつつあるものの、多くは、障害者の家族や親族である農業者の取り組みであり、福祉施設等の作業の一環であることが現状の課題です。
同協議会では、その課題を改善すべく、主に4つの活動を行っています。その1つ目が「農業ジョブトレーナーの育成」です。企業と障害者をつなぐ人材である「ジョブコーチ」の農業版として、同協議会では「農業ジョブトレーナー」の育成に取り組んでいます。農業分野における障害者の職場適応支援に必要となる知識やスキルを習得できる「養成・スキルアップ研修」を実施しています。
障害者の雇用機会拡大と活力ある地域社会の実現をめざして
同協議会が行う2つ目の活動が「農業分野における障害者の就労体験コーディネート」です。農業分野で就労を希望する障害者、障害者雇用を考えている農業者を募集し、雇用型の就労体験をコーディネートしています。就労体験には、農業ジョブトレーナーを派遣し、受け入れや就労の不安を感じることなくスムーズに就労体験が実施できるようにしています。
3つ目が「新たに農業に参入しようとお考えの福祉事業所へのサポート」です。事業所や地域の状況に合わせて、作物の栽培方法や、施設外就労の実施についてマッチングおよびコーディネートをしています。
4つ目が「障害者雇用拡大のための情報発信」です。農福連携に取り組んでいる福祉事業所、農業者、関係機関の間にネットワークを構築し、情報を共有するだけではなく、農福連携の発展のため、さらなるネットワーク拡大をめざして様々な情報を発信していきます。
同協議会のこのような活動は、農業分野における障害者雇用への理解を広げると共に、生き生きと働ける地域社会の実現につながっていくでしょう。