聴覚障害の就職支援・キャリア形成支援について
改正障害者雇用促進法の施行に向けて
障害者を支援する改正障害者雇用促進法及び障害者差別解消法が、2016年から施行されます。
この改正等の施行に向けて独立行政法人 日本学生支援機構では、聴覚障害のある学生が大学生活で学んだことを、職場や社会で活かすためにはエンパワーメントの視点を考慮した就職支援・キャリア支援が不可欠であると捉えた様々な支援活動を行っています。
同機構は、聴覚障害のある学生の就職支援として、各大学で実施されている就職セミナー等への情報保障者の配置や障害者雇用に関する情報を把握し、学生に提供するなど「就職情報へのアクセス支援」(出典:独立行政法人 日本学生支援機構ホームページ)の必要性を挙げています。
日本学生支援機構のキャリアサポートプログラム
聴覚障害のある学生の支援として同機構は、「聴覚障害のある学生の特性を考慮したキャリアサポートプログラムの提供」や「障害のある学生のキャリ形成支援プログラムの提供」の重要性を挙げています。
「聴覚障害のある学生の特性を考慮したキャリアサポートプログラムの提供」では、聴覚障害のある学生の社会的自立や職業的自立のために必要な支援として、自らの障害を肯定的に捉えること、社会的ルールの中で必要な配慮を適切に求めることができる「セルフアドボカシースキル」や「障害説明能力」などを獲得すること、他者との対話や調整能力としてのコミュニケーションを高めることの重要性、さらに低年次からの職業観醸成の必要性などを挙げています。
また「障害のある学生のキャリア形成支援プログラムの提供」では、障害のある学生のキャリア形成や職業観の醸成のためには、社会で必要とされる能力を養うとともに、個性をどう活かすか、物理的にできないことをどのようにカバーすべきかなど、在学中に気づくことができるようなプログラムの提供の重要性を挙げています。
障害学生の就職支援・キャリア形成支援において、同機構は、プログラムの目的と狙いを明確化し、適切な時期にインターンシップを実施するなど、社会との接点を有する機会や場の必要性や今後の変化に対応できる「適応力」が重要なポイントになるとしています。
関連リンク:厚生労働省 改正障害者雇用促進法の施行について