細やかな「個別対応」で入社後のミスマッチを防ぐ
一人ひとりに対する「個別対応」が大切
障害内容や等級などによって、支援の在り方は大きく異なります。企業の受け入れ態勢で重要なのが、バリアフリーの設備面、補助機器の導入、支援制度などの充実と共に、一人ひとりの状況を把握した上で、より適切な支援や補助を行う「個別対応」です。
障害者雇用で成果を上げている企業の多くは、こうした個別対応に対して積極的に取り組んでいます。まず選考段階で、障害のある求職者と面接する際に「障害の内容」を聞き、どんな補助や支援があれば業務が可能かを具体的に確認しています。例えば、聴覚障害者の場合、左右どちら側が聞こえづらいか、どんなコミュニケーション手段なら意思疎通が図れるかなど、細かく確認をします。選考段階での具体的な確認が入社後のミスマッチ防止につながるのです。
橋渡しする役割を担う人事部門
個別対応していく上で重要な役割を果たすのが人事部門です。障害について精通すると共に、社員が実際に配属される各職場の業務内容も把握しておかなければ、必要なサポートと遂行業務のマッチングが図れません。
配属される職場の業務内容を細かくチェックし、必要なサポートと各人のスキルを考慮しながら配属することが求められます。さらに磨かなければならないスキルを社員に伝えて、成長を促す役割も果たしています。いわば人事部門の担当者は、各人のスキルと職場のニーズの双方を把握して、コーディネイトしていく役割を担うことになります。
そのためにも人事担当者には、職場の状況を把握するためにつねに現場から情報収集するなど社内各部署とのリレーションが求められます。