大学関係者の悩み解消に役立つ障害学生修学支援ネットワーク
全国8ブロックにある拠点校を中心に活動
大学の障害支援担当者の悩みのひとつにあるのが「障害学生への支援のあり方」ではないでしょうか。「具体的にどのような支援をしたら良いのかがわからない」「相談する相手が身近にいない」などの悩みを抱える関係者は少なくないはずです。
そんな時に心強いのが独立行政法人日本学生機構(JASSO)の「障害学生修学支援ネットワーク」です。同ネットワークでは、全国の大学や関係機関がネットワークを作り、一丸となって大学の障害学生修学支援体制の整備をめざしています。
現在は、全国を8ブロックに分けて各ブロックで積極的な取り組みを行っている大学などを「拠点校」として、大学等間のネットワークを構築しています。拠点校が中心となり、地域の障害学生修学支援体制の整備や取り組みの共有化を図っています。さらに障害者施策に関わる研究機関などの協力機関も各拠点校をサポートする役割を担います。
大学の障害者修学支援の課題解決に役立つ3つの事業
同ネットワークの運営はJASSOが事務局となり、協力機関およびJASSOから推薦を受けた者と共に、「障害学生修学支援ネットワーク運営委員会」で協議・運営を行います。
同支援ネットワークでは、「相談事業」「研修事業」「研究促進事業」の3つの事業を展開しています。「相談事業」では、各ブロックの拠点校が大学などの教員に対して障害学生の修学支援に関する相談に応じています。また、「研修事業」では、支援を必要とする学生に対する研修事業などのプログラム(カリキュラム)開発を行うと共に、地域の大学などを含めた研修事業を実施しています。そして「研究促進事業」では、単独の大学だけでは対応が困難な課題などについて、各機関が連携しながら具体的な支援策の研究を促進できる環境づくりを行い、その成果を多くの大学に提供しています。
この障害学生修学ネットワークによって、これまで一校単独では解決方法が見いだせなかった障害者の修学に関する課題が解決できる可能性も高いので、さらなる利用が期待されています。