障害者のスポーツ普及を支える指導員制度
日本障害者スポーツ協会が養成する指導員
障害者のスポーツ振興における中心的な役割を担う日本障害者スポーツ協会は、1964年の東京パラリンピックを契機に厚生省(現厚生労働省)の認可を受け、翌年の1965年に設立されました。
同年に開催された全国身体障害者スポーツ大会を契機に、厚生省が指導者講習会を日本障害者スポーツ協会に委託。1966年から同協会では、障害者へスポーツを普及するために指導者の養成を開始しました。
この指導者は、「障害者スポーツ指導員」(初級・中級・上級)、「障害者スポーツコーチ」、「障害者スポーツ医」、「障害者スポーツトレーナー」の4種類に分類されます。
地域で活躍する障害者スポーツ指導員
指導員の中でも中心的な役割を担うのが障害者スポーツ指導員ですが、初級・中級・上級によって役割は若干異なります。初級は「地域で活動する指導者で主に初めてスポーツに参加する障害者に対し、スポーツの喜びや楽しさを重視したスポーツの導入を支援する者」とし、中級は「地域における障害者スポーツのリーダーとしての役割を持ち、指導現場で充分な知識・技術と経験に基づいた指導ができる者」、上級は「県レベルのリーダーとして、指導現場では障害者スポーツの高度な専門的知識を有し、指導技術と豊富な経験に基づいた指導と指導員を取りまとめる指導的な立場になる者」とされています。
また、初級・中級・上級でそれぞれ受講資格も異なります。初級の受講資格は、受講年度の4月1日現在で18歳以上の者。受講時間は18時間以上です。中級は、初級障害者スポーツ指導員として2年以上の活動経験か日本体育協会公認スポーツ指導者資格を5年以上保持している者とされ、受講時間は56時間以上。そして上級は中級障害者スポーツ指導員として3年以上の活動経験がある者で、受講時間は52時間以上となっています。
こうした障害者スポーツ指導員が、障害者のスポーツ振興に貢献する役割は大きいといえます。