日本でも締約国となった障害者権利条約
今年から効力を生じる障害者権利条約
2006年に国連総会で採択され、2008年に発効された「障害者権利条約」。この条約は、障害に基づくあらゆる差別を禁止し、障害者の権利・尊厳を守ることをルール化したものです。すでに世界の140カ国・1地域機関が批准し、障害者が社会に参加し、包容されることを促進するためにさまざまな対応がされています。
日本では、障害者総合支援法や障害者差別解消法など国内法の整備を優先した経緯もあり、141番目の国として条約発効から5年あまりで批准しました。そして2014年2月19日から、その効力が生じています。
障害者の権利の実現に向けた取り組み
日本がこの条約を締結したことにより、障害者の権利の実現に向けた取り組みのさらなる強化が期待されています。例えば表現の自由や教育、労働等の権利が促進されるとともに、新たに設置された「障害者政策委員会」にて、国内の障害者施策が条約の趣旨に沿っているか、モニタリングが進められることになります。また、締約国は定期的に条約に基づく義務の履行等について報告書を国連に提出し、その内容は各国の専門家で構成される「障害者権利委員会」によって締約国に対して様々な勧告が行われるため、国内外問わずモニタリングされることになります。
さらに、人権尊重についての国際協力も一層推進されることが期待され、例えば日本政府はこれまで国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の場で地域における障害者の取り組みにおいて果たしている主導的な役割を継続していくほか、ODA等を通じて途上国の障害者の権利向上に貢献していきます。