企業のCSR活動と障害者採用
人権、労働という観点におけるCSR活動
企業の社会的責任を意味するCSR(Corporate Social Responsibility)が、企業や産業界に浸透してかなりの歳月が経過しました。日本でCSRといえば、企業の環境に対する取り組みばかりが注目されがちですが、人権や労働に関する取り組みもCSR活動を支える重要な分野といえます。
特に欧米の企業では、ダイバーシティ・マネジメントへの関心が高く、多様な労働力を企業競争力強化に活かそうとする考えは強いようです。その中で障害者の採用においても積極的な取り組みが行われています。
もちろん、日本でも障害者を積極的に採用する企業は多く、中には法定雇用率をはるかに超える3%以上を雇用している企業もあります。年々、環境保全だけでなく人権、労働という観点からCSR活動の強化を図る企業が増えているようです。
CSR報告書からみえてくるダイバーシティへの取り組み
こうした障害者の採用を積極的に推し進める企業のCSR活動は、「CSR報告書」を読むことで把握できます。大手企業の中にはノーマライゼーションを実践する企業をめざし、本社オフィス、工場、店舗などで多くの障害者を雇用し、雇用率3%以上を達成している会社もあります。また、ダイバーシティの推進を図るために、女性の登用や外国人雇用と並んで障害者の採用にも積極的に取り組んでいることが、CSR報告書から読み取れる企業もあります。このようにCSR報告書は、企業の障害者採用に対する姿勢を知ることができます。
2013年の4月1日から法定雇用率は1.8%から2.0%に引き上げられました。ダイバーシティによって社内の活性化を図るとともに、社会への責任を果たすためにも、ますます積極的な採用が求められています。