発達障害者支援のためにその定義や症状を知る
発達障害とはどんな障害なのか
発達障害を理解あるいは支援するためには、どんな定義があり、その症状がどんなものなのかを知る必要があります。
発達障害とは中枢神経系の障害により、生まれつき認知やコミュニケーション、社会性、学習、注意力などの能力に偏りや問題が生じて現実生活に困難をきたす障害のことを言います。生まれつき障害があるため、その根本的な病理はほとんど変わりなく続きます。基本的には家庭や社会環境が起因して起こるものではありませんが、障害が原因で周囲と馴染めず、二次的な障害が発生するケースがあります。また医学的に根本的な障害を治すことができません。そこで教育機関等では発達障害に対する理解と対応が大切となります。
発達障害の主な症候群とは?
では、発達障害にはどんな症候群があるのでしょうか。主な症候群として文部科学省では次の4つを定義しています。それが「自閉症」「高機能自閉症」「学習障害(LD)」「注意欠陥/多動性障害(ADHD)」です。自閉症と高機能自閉症の違いは、後者は知的発達の遅れを伴わない自閉症を指しています。
まず、自閉症と高機能自閉症は、他人との意思や情緒の疎通に問題をもつコミュニケーションの障害、集団の中で適切に振る舞えない社会性の障害、こだわりが強く柔軟な対応ができない想像性の障害という3つの障害が、幼少期から併発し続ける障害です。学習障害は、基本的には知的発達の遅れはありませんが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しく困難な状態を指しています。そして、注意欠陥/多動性障害は、注意力に障害があるため困難が生じたり、多動や衝動的な行動をコントロールできない障害です。注意力には、持続すること、複数の対象に注意を分配できること、状況に応じて転換できることの3つの側面がありますが、これらができないために待てない、落ち着きがない、遅刻が多い、物をなくすことが多いなどの問題行動を起こします。
このような発達障害の特徴を知ることは、発達障害に対する理解を深めて支援のあり方を考えていくためにも重要でしょう。