さまざまな「バリアフリー」が整備される職場環境
社会や職場に浸透するバリアフリー
バリアフリーとは障害者や高齢者が生活をする上での障壁を取り除いた状態をいいます。一般的には段差の解消、車いす用のスロープ、点字ブロック、点字案内板など、設備面のバリアフリーがよく知られています。公共施設をはじめとした幅広い施設でバリアフリー化は進んでいます。
1967年、岡山県に世界で初めて点字ブロックが設置されました。それ以来、駅や娯楽施設、商業施設などで、点字ブロックやスロープ、障害者用トイレ、エレベーターなどの設置が積極的に行われています。
現在は人々が働くオフィスや工場でもバリアフリーが施され、働きやすい環境づくりに寄与しています。前述した設備だけでなく、乗降しやすいように広いスペースを確保した駐車場、AEDの設置など、職場環境の整備が進められています。
制度や文化、そして「意識のバリアフリー」が重要
「壁」を「なくす」バリアフリー化は、設備などの物理的な面だけでなく、「制度」「文化」「情報」「意識」などでも着々と推し進められています。
例えば、企業で取り組む「制度」面のバリアフリーとして、混雑時を避けたり、通院を考慮し、時間差通勤などを導入するケースがあります。また、「文化」「情報」面では手話通訳者の配属やノートテイクの実施、音声読み上げソフトの導入など、さまざまなサポートを行っています。
さらに「意識」のバリアフリー化において大切なのが、偏見をなくし、障害のある社員と一般社員を分け隔てることなく、共に協力しながら働く体制を整えること。ノーマライゼーションという言葉があるように、ハードやソフトのバリアフリー化とともに、こうした企業文化を育むことが活力ある組織をつくる重要なポイントといえるでしょう。