法定雇用率達成に向けて

法定雇用率引き上げで、積極性を増す障害者雇用
2012年度の民間企業の障害者雇用率は過去最高を更新して1.69%を記録しました。しかし、2013年4月1日から改正になった民間企業の法定雇用率は、従来の1.8%から2.0%に引き上げになり、旧法定雇用率も達成できていないのが現状です。
また、法定雇用率達成企業の割合は46.8%となり、半数以上の企業が達成できていません。こうした状況でさらに0.2%雇用率が上がったことは、各企業にとって厳しい状況です。
雇用率を上げるためには、採用する人材の幅を広げる必要があるといえます。そして、従来にも増して幅広い情報発信が求められています。
雇用率アップには中途採用がポイント
そこで、これまで以上に注目されるのが中途採用です。新卒採用とともに中途採用を積極的に行うことで、雇用率アップが図れます。また、中途採用は新卒採用とは異なるメリットもあるので、双方の利点を考慮しながら採用戦略を構築することが大切です。
では、中途採用の利点とはどんなところにあるのでしょうか? まず、求職者のスキルを把握しやすい点が挙げられます。就業経験があるためにどんなスキルが備わっているかが新卒者よりも明確となり、採用戦略に沿ってピンポイントに人材を確保することが可能になります。
また、自分が「できること」と「できないこと」を把握していることも利点の一つです。就業後にミスマッチが発生する心配も少なく、キャリアから即戦力の人材として期待できます。単に法定雇用率達成という目的だけでなく、求職者の即戦力化を図るうえでも中途採用は有効な手段といえるでしょう。
雇用拡大に向けた広報手段の検証
また、障害者求人の広報手段も新卒・中途採用にかかわらず専門性の高い就職・転職求人サイトや就職情報誌の選定、さらに障害者のための合同企業面談会やセミナーへの参加などが挙げられ、企業の採用計画の立案と実行の確立が、法定雇用率2.0%への引き上げに対する今後の課題といえます。
企業の採用活動において、より効果的な人材採用につなげるためには、専門性の高い採用ツールを賢く選択し、求人内容や採用計画に沿った広報活動を確立することが重要だと思われます。
法定雇用率2.0%に対する採用情報の発信方法
障害者就職を考える上で障害者雇用促進法の法改正は、民間企業にとっても、求職者にとっても大きな契機となっています。
採用情報の発信方法には、大きく分けて2つの方法があります。公的機関の活用と民間企業の活用です。
全国的に求人情報を発信する公的機関としては、国民に安定した雇用機会を確保することを目的として厚生労働省が設置する公共職業安定所があります。一般的にはハローワークと呼ばれ、職業紹介や職業相談を行っています。
ハローワークは、原則的には47都道府県の人口20万人以上の都市に設置されているので、全国規模で採用情報を発信したい時に有効です。
民間企業の媒体を利用する
ハローワークの求人票には必要最低限の募集要項しか掲載できないため、詳しい企業情報を発信することができません。詳しい企業情報を発信するためには民間企業が運営する就職情報サイトなどのWeb媒体、就職情報誌などの紙媒体、会社説明会・合同面談会などの就職イベントなど、さまざまな方法があります。
これらの公的機関、民間の媒体を使い分けて、より効果的な訴求を行うことが重要です。