法定雇用率に対する流れと現状|サーナ・トピック

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法定雇用率に対する流れと現状

制度

2012年の障害者採用は堅調な伸び

 企業の障害者の採用状況は、2012年11月に厚生労働省が発表した2012年「障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業の雇用障害者数は2011年より1万6164.5人(4.4%)増加し、実雇用率も1.69%(前年比0.04ポイント上昇)といずれも過去最高を更新。長引く不況下でありながらも堅調な伸びを示しています。

 民間企業だけでなく公的機関でも、国が雇用障害者数7,105.0人で実雇用率2.31%、都道府県が雇用数 7,882.0人で実雇用率2.43%、市町村が雇用数23,730.5人で実雇用率2.25%、教育委員会が雇用数12,677.5人で実雇用率 1.88%、独立行政法人などが雇用数7,647人で実雇用率2.13%と、いずれも2011年を上回りました。

産業によってバラつきがある障害者雇用

 産業別の雇用状況をみると「医療・福祉」1.98%、「生活関連サービス業・娯楽業」1.94%、「電気・ガス・熱供給・水道業」1.87%、「製造業」1.81%の4業種が法定雇用率の 1.80%(2012当時)以上を達成しています。そのほかの業種は、まだ法定雇用率の水準まで至っていません。

 この4業種に続くのが、「金融業、保険業」1.76%、「運輸業、郵便業」1.74%、「農・林・水産業」の1.72%、「サービス業」1.70%で、この4業種は全体平均の1.69%を超えている業種です。

 ただし、各業種の業界規模が異なることから、雇用数では製造業がトップで11万9118.5人と10万人を突破 しており、続いて「卸・小売業」の5万6753.5人、「医療・福祉」4万3402.5人、「サービス」4万825.0人、「運輸業、郵便業」2万4448.0人、「金融業、保険業」2万958.5人が続いています。こうした多くの雇用数を抱える産業でさらに障害者雇用数が上がれば、全体の雇用率も大きく上がると予想されます。

産業別に見た法定雇用率を達成している企業の割合

 続いて、法定雇用率を達成している企業の割合をみていくと、こちらはトップが「鉱業」57.1%、「医療・福祉」56.7%、「農林」56.2%、「製造」55.4%、「運輸業、郵便業」51.2%などが上位にランクされています。

 逆に業界全体では法定雇用率を達成している「生活関連サービス業、娯楽業」は38.6%と低い割合です。また、「卸売業」36%、「情報通信業」27.1%、「不動産業、物品賃貸業」33.7%などは実雇用率、達成企業の割合とも低い水準でした。

増加する民間企業の障害者雇用数

 厚生労働省が発表する「2012年障害者雇用状況の集計結果」 から、最近10年の民間企業における障害者雇用数の推移をみると、毎年のように雇用数は増加しています。2002年は約24万6000人でしたが、2007年には30万人を突破。その後も順調に増え続け、2012年の集計結果では前年度よりも4.4%増加(1万6164.5人)して38万2363.5人と、過去最高を記録しました。

 身体障害者だけでなく知的障害者、精神障害者ともに増加しており、民間企業の雇用状況は年々、良化傾向にあるといえるでしょう。また、実雇用率も2002年は1.47%でしたが、平成21年には1.6%を超え、2012年には過去最高の1.69%を記録しました。ただし法定雇用率1.80%(2012年当時)を超えるまでは至っておらず、さらなる雇用の促進が期待されています。

 次に民間企業の実雇用率を規模別ならびに産業別で比較してみましょう。まず規模別にみると、従業員1000人以上の企業では実雇用率1.9%と、法定雇用率を超えています。しかし、 500~1000人未満は1.70%、300~500人未満が1.63%、100~300人未満が1.44%、56~100人未満が1.39%と、規模が小さくなるにしたがって雇用率は下がる傾向にあります。

2013年、15年ぶりに法定雇用率2.0%へ引き上げ

 法定雇用率は、2013年の4月1日から民間企業では1.8%から2.0%に、国・地方公共団体等が2.1%から2.3%に、都道府県等の教育委員会が2.0%から2.2%に、それぞれ引き上げられました。また、障害者を雇用しなければならない事業主の範囲が、56人以上から50人以上に変更されました。

 こうした法定雇用率引き上げの背景には、障害者の就労意欲の高まりがあるとされ、厚生労働省は雇用が着実に進展しているとして、企業へさらなる努力を求めています。事実、ハローワークのデータから障害者の就職件数をみると、2011年度は前年度比で12.2%増加して約6万件と過去最高を更新しています。

しかし、障害者求人を行う民間企業にとっては、この法定雇用率の引き上げは厳しい経済状況もあり、かなりハードルが高くなったといえるでしょう。

この法定雇用率の改定によって、大企業だけでなく中小企業においてもさらなる積極的な取り組みが求められることになります。

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